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「■4−4確定判決の効力(8)終」
第3 執行力(2)
3 仮執行宣言(242頁)
(1)仮執行宣言の要件(259条1項)
(a)財産権上の請求に関する判決であること
(b)仮執行の必要が認められること
※裁判所の裁量による
(2)仮執行宣言の手続
当事者の申立てによりまたは職権で行う
担保を立てさせ、または立てさせないことができる
仮執行免脱宣言
※手形・小切手による金銭支払請求は、職権で、原則として無担保で仮執行宣言を付さなければならない(2項)
(3)仮執行宣言の効力:確定判決と同じく完全な執行力を持つ
※仮執行宣言は、その宣言または本案判決を変更する判決の言渡しにより、変更の限度においてその効力を失う(260条1項)
※本案判決を変更する場合、裁判所は、被告の申立てにより、その判決において、仮執行の宣言に基づき被告が給付したものの返還及び仮執行宣言によりまたはこれを免れるために被告が受けた損害の賠償を
「■4−4確定判決の効力(7)」
第2 争点効・反射効(2)
2 反射効(238頁)
(1)意義:第三者が当事者の一方との間で実体法上特殊な関係にある場合、当事者間に既判力が作用することが反射的に第三者に対して有利または不利な影響を及ぼすこと
※例1:債権者と主債務者との間の貸金返還請求訴訟で請求棄却判決が確定した場合、主債務者が弁済する義務がなければ保証債務の附従性から保証人も支払義務がなくなるから、債権者から保証人に対する後訴において、保証人は主債務者勝訴の判決を自己に有利に援用できる
※例2:賃貸人と賃借人との間の訴訟で賃借権の存在が確定した場合、転借人は賃借権の存在を主張して判決を援用できる
※例3:会社債権者との間で合名会社の受けた判決の効力は、商法80条・81条との関係で、無限責任社員に対し有利にも不利にも及ぶ
※例4:ある債権者が破産者との間で債権の存在について確定判決を得ているときは、他の破産債権者
「■4−4確定判決の効力(6)」
第2 争点効・反射効(235頁)
1 争点効
(1)意義:前訴で当事者が主要な争点として争い、かつ、裁判所がこれを審理して下したその争点についての判断に生じる通用力で、同一の争点を主要な先決問題とした異別な後訴請求の審理において、その判断に反する主張立証を許さず、これと矛盾する判断を禁止する効力
※一定の条件の下で、判決理由中の判断にも既判力類似の拘束力を認めようとする考え方
※例:XのYに対する所有権に基づく引渡請求の前訴で、Xに所有権なしとの理由で請求が棄却された場合、Xは、自己の所有権確認請求においても、YのXに対する所有権に基づく妨害排除請求を争う基礎としても、自己の所有権を主張することは許されないし、裁判所もXに所有権なしとの判断を前提に判決を下さなければならない
※信義則ないし当事者間の公平の観念が根拠となる
(2)既判力との差異
判決理由中に示された判断に生じる→主
「■4−4確定判決の効力(5)」
第1 既判力(5)
8 既判力の効力が及ぶ者の範囲(既判力の主観的範囲)(231頁)
(1)当事者(115条1項1号)
※当事者として訴訟に関与しなかった第三者にまで既判力を及ぼすと、第三者の裁判を受ける権利を実質的に奪うことになりかねない
(2)訴訟担当の場合の利益帰属主体(115条1項2号)
任意的訴訟担当:担当者の当事者適格が利益帰属主体の意思に基づく
法定訴訟担当:法律上担当者に当事者適格が与えられ、その訴訟の結果を帰属主体が承認しなければならない実質的関係にある
(3)口頭弁論終結後の承継人(115条1項3号)
既判力が承継人に及ばないとすると、敗訴した当事者が訴訟物たる権利関係を第三者に処分することによって、容易に既判力の拘束を免れることができ、判決による紛争解決の実効性が失われるから
※口頭弁論終結前の承継人:訴訟手続を承継させ、独自の訴訟追行の機会を保障する
「■4−4確定判決の効力(4)」
第1 既判力(4)
6 既判力の時的限界(227頁)
(1)既判力の基準時:事実審の口頭弁論終結時
(2)既判力の遮断効:基準時以前に生じていた事実を後訴において主張することが禁止されること
※既判力の安定のため、前訴で提出しなかったことについて当事者に過失があったか否かは問わない
※売買代金の支払いを命ずる判決が確定した場合、基準時において被告に支払義務があることにつき既判力が生じる
→敗訴被告が後訴において契約の不成立や無効、基準時前の弁済や免除あるいは消滅時効などを主張することは許されない
当事者がこのような事由を主張しても、裁判所はその審理をせずにこれを排斥しなければならない
【前訴の基準時前に成立していた取消権・解除権・相殺権などの形成権を前訴で主張せず、基準時後に初めて行使して、後訴で確定判決の内容を争うことが許されるか】
判例・通説:法的安定を強調=基準時前に形成
「■4−4確定判決の効力(3)」
第1 既判力(3)
5 既判力の本質と根拠(225頁)
(1)既判力本質論
訴訟外に客観的に存在すると考えられる実体法上の権利関係と矛盾する判決(不当判決)が実体権にどのような影響を与えるか
既判力が当事者間にしか及ばないこと(既判力の相対性)や職権調査事項であることをどう説明するか
(a)実体法説と訴訟法説
・実体法説:確定判決を民法上の和解契約と同様に実体法上の法律要件の一種ととらえる
不当判決も実体的権利関係を変更修正するものとして、裁判所はこれに拘束される
・訴訟法説:既判力を訴訟外の実体的権利関係とは切り離し、もっぱら裁判所に対する順訴訟法的な拘束力ととらる
後訴裁判所が前訴裁判所の下した判決に抵触する判断をなすことが許されなくなる結果、これに反する当事者の主張が無駄になるにすぎない
(b)権利実在説と具体的法規説
以上の実体法説・訴訟法説がいずれも訴訟以前に
「■4−4確定判決の効力(2)」
第1 既判力(2)
3 既判力を有する裁判(223頁)
(1)終局判決
※中間判決は既判力を生じない
(a)本案判決
請求の認容・棄却いずれの本案判決にも既判力が生じる
・確認訴訟認容判決:確認対象となった権利または法律関係の存在(消極的確認訴訟の場合にはその不存在)
・給付訴訟認容判決:請求権の存在
・形成訴訟認容判決:形成権ないし形成要件の存在
・棄却判決(確認訴訟/給付訴訟/形成訴訟):請求内容の反対の判断
(b)訴訟判決
(2)決定
決定・命令には通常既判力を生じないが、決定で終結する事件で実体関係につき終局的判断をする場合には既判力を生じる
※訴訟費用の負担を命じる決定・支払督促に対する督促異議却下決定
※非訟事件の裁判では、実体的権利の存否の判断をしても既判力は生じない
(3)法律上確定判決と同一の効力を認められる裁判や調書
仲裁判断/破産債権についての債権表の
「■4−4確定判決の効力」
第1 既判力(220頁)
1 意義:確定判決の主文に示された判断の後訴裁判所に対する拘束力ないし通用性(実質的確定力・実体的確定力)
確定判決の内容を法的に安定させることが目的
後に同一事項が問題になった場合、当事者はこれに反する主張をして既判力ある判断を争うことが許されず、仮にこれと矛盾する主張をしても裁判所はこれと矛盾抵触する判断をすることが許されない
2 既判力の作用
(1)消極的作用と積極的作用
消極的作用:当事者が既判力の生じた判断を争うことを許さず、これを争う当事者の申立てや主張・抗弁を排斥する作用
積極的作用:裁判所は既判力で確定された判断に拘束され、これを前提として後訴の審判をしなければならないという作用
【いずれを重視するか】
(a)一事不再理説:既判力は消極的訴訟要件となる→同一訴訟物についての後訴は不適法
(b)拘束力説:既判力は権利関係の存否について前訴で
「■4−3当事者の行為による訴訟の終了(6)」
第3 請求の放棄・認諾(2)
3 手続
口頭弁論期日において口頭の陳述によって行うのが原則(266条1項)
請求の放棄または認諾をする旨の書面を提出した当事者が口頭弁論等の期日に出頭しないときは陳述擬制(2項)
4 効果
(1)訴訟終了
(2)放棄・認諾を記載した調書は確定判決と同一の効力を有する(267条)
給付請求についての認諾調書には執行力を生じる(民執22条7号)
形成請求についての認諾調書には形成力を生じる
【放棄調書・認諾調書に既判力が認められるか否か】
(a)肯定説:放棄・認諾の意思表示に錯誤などの瑕疵があっても手続の再開を許さない
(b)否定説:近時有力
(c)判例:既判力を肯定しつつ、放棄・認諾の無効・取消しを主張して手続の続行を求めることができる
「■4−3当事者の行為による訴訟の終了(5)」
第3 請求の放棄・認諾(216頁)
1 意義
(1)請求の放棄:請求に理由がないことを自認する、原告の裁判所に対する意思表示
(2)請求の認諾:請求に理由があることを認めるとの、被告の裁判所に対する意思表示
これが調書に記載されると確定判決と同一の効力(法規=請求棄却/認諾=請求認容)を生じ、訴訟は終了する(267条)
※訴えの取下げは請求の中身に関する確定効果を持たないのに対し、請求の放棄は請求棄却と同じ効果を持つ点で異なる
※請求の認諾は、相手方の主張を認め裁判所の審理を不要とする点で自白と共通するが、請求そのものを認める点で、請求を基礎づける個々の事実を認める自白や先決的権利関係に関する権利自白と異なる
【法規・認諾の性質】
(a)私法行為説
(b)訴訟行為説(多数説)
(c)私法行為であるとともに訴訟行為だとする両性説
2 要件
(1)訴訟物たる権利・法律関係が、当事
「■4−3当事者の行為による訴訟の終了(4)」
第2 訴訟上の和解(2)
3 手続(215頁)
(1)裁判所は、訴訟がいかなる程度にあるかを問わず、和解を試み、または受命裁判官もしくは受託裁判官に和解を試みさせることができる(89条)
(2)訴訟上の和解は、期日において当事者双方が口頭で陳述して行うのが原則
※当事者が遠隔の地に居住していることその他の事由により出頭することが困難であると認められる場合において、
その当事者があらかじめ裁判所または受命裁判官もしくは受託裁判官から提示された和解条項案を受諾する旨の書面を提出し、
他の当事者が口頭弁論等の期日に出頭してその和解条項案を受諾したときは、当事者間に和解が調ったものとみなす(264条)
(3)和解の陳述がなされた場合、裁判所は訴訟上の和解の要件を審査し、有効と認めれば書記官にその内容を調書に記載させる
(4)裁判所等が定める和解条項(265条)
裁判所または受命裁判官もしく
「■4−3当事者の行為による訴訟の終了(3)」
第2 訴訟上の和解(213頁)
1 意義:訴訟係属中に、当事者双方が裁判所の面前で、訴訟物たる権利関係に関して互いにその主張を譲り合って(互譲)訴訟を終了させる旨の合意
この合意が調書に記載されると、確定判決と同一の効力が認められる(267条)
※訴えの提起後(訴訟係属中)当該事件の係属する裁判所でなされ、これによって訴訟が終了する点で、起訴前の和解と異なる
※起訴前の和解:紛争当事者の一方からの申立てを受けた簡易裁判所が和解期日を定めて当事者を呼び出し、そこで合意が成立すればそれを和解調書に記載することによって、確定判決と同一の効力を取得するもの(275条)
※訴訟上の和解と起訴前の和解をあわせて「裁判上の和解」という
2 要件
(1)実体法的要件
法律行為としての一般的な成立要件・有効要件の他、和解に特有な要件として、
(a)当事者間に争いがあり、
(b)その争いをやめる
「■4−3当事者の行為による訴訟の終了(2)」
第1 訴えの取下げ(2)
4 効果(211頁)
(1)訴訟係属の遡及的消滅(262条1項)
※訴え提起に伴う時効中断の効果も消滅
※すでに下された判決も無効となる
※ただし、調書や裁判は訴訟記録として残るから、他の訴訟で書証として利用することは可能
(2)再訴の禁止
本案について終局判決があった後に訴えを取り下げた者は、同一の訴えを提起することができない(262条2項)
5 訴え取下げの効力についての審理
手続の進行に関する問題→裁判所は疑問があれば職権で調査しなければならない
当事者は、訴え取下げの不成立または無効を主張して、期日指定を申し立てることができる
審理の結果、取下げを有効と認めたとき→取下げにより訴訟が終了した旨を宣言する判決をする
取下げが不成立または無効と判断したときは審理を続行し、その判断を中間判決または終局判決の理由中で明らかにすべき
【訴えの取下げが錯
「■4−3当事者の行為による訴訟の終了」
第1 訴えの取下げ(209頁)
1 意義:訴えによる審判要求を撤回する旨の、裁判所に対する原告の意思表示(訴訟法律行為)
訴訟係属の効果が遡及的に消滅し、訴訟は終了する(262条1項)
判決言渡後の訴え取下げは、判決の効力を消滅させる
訴えの取下げは、上訴審に移ってからでもできる。この場合、下級審をも含めた訴訟係属全体を遡及的に消滅させ、原審判決を失効させる(上訴の取下げは上訴審の係属のみを消滅させ、原審判決を確定させる効果を持つ)
※訴えの取下げが擬制される場合(263条)
2 要件
(1)原告
実体法上当事者の自由処分を許さず請求の放棄ができない事件でも、訴えの提起自体が原告の意思に任されている以上、訴えの取下げは許される
(2)終局判決が確定するまではいつでも訴えを取り下げることができる(261条1項)。
※被告が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続において申述をし
「■4−2判決による訴訟終了(6)」
第3 判決の効力(205頁)
1 自己拘束力:言渡しによって判決が成立した場合には、判決を下した裁判所はもはやその判決を自由に撤回したり変更したりすることが許されないこと。自縛性。ただし以下の例外がある。
(1)判決の更正
判決に計算違い、誤記その他これらに類する明白な誤りがあるときは、裁判所は、申立てによりまたは職権で、いつでも更正決定をすることができる(257条)
※上訴提起後でも、判決確定後でも差し支えない
※判決をした裁判所だけでなく、上訴裁判所や差し戻しを受けた裁判所でも更正できる
(2)判決の変更
裁判所は、判決に法令の違反があることを発見したときは、その言渡し後1週間以内に限り、変更の判決をすることができる(256条)
※実際に変更判決がなされることは希有
2 形式的確定力:判決が上訴による取り消しの可能性がなくなった状態の判決の効力
※判決確定後の上訴を不適法と